立ち止まって見上げた空に。

限りなく視界良好

2020年上半期のまとめ ー楽しくない話なので雑感はここー

2020年の夏がこんなにも静かに過ぎ去っていくなんて、少しずつざわつき始めた冬の終わりには想像もしなかった。人々が思い描き、待ち焦がれていた賑やかな2020は夢のように消えてしまった。
今年の夏、私は東京で四年に一度の祭典に熱狂し、その余韻も冷めぬまま、毎週末に全国各地で繰り広げられたであろう音楽の祭典を享受しているはずだったのに。
一体いつまで続くのだろう。先が見えないのがただただ辛い。小さな楽しみをどんなに積み重ねても、いちばんには勝てない。そんな日々。

何が辛いって、ライブやフェスがないことがもちろん最たるものだけど、それに加えて「いわゆる"現場"に行くこと、特に"遠方からライブハウスに行くこと"への懐疑的で批判的な眼差し」と「ポップミュージックに対する意識の高いリスナーが音楽に求める姿」にしんどさを感じることが多かったと思う。
前者は特に初期の頃、いくつかのライブ会場に関する報道が相次いだ際に強く感じた。幸いなことに今の自分の周囲には「応援している人を見に行くために遠征すること」を趣味としている人が複数いるので、批判の声を実際に耳にすることはなかったけれど、ニュースサイトやTwitterでふと目にしてしまった匿名の言葉に心を痛めつけられることがしばしばあった。普段ならそんな雑言は吹き飛ばしてしまうのだけど、日々の楽しみを失って弱っているときはそんな気力もなく。
後者は主にTwitter。趣味を楽しむための場所で疲弊したくないので最近はミュートなりで自衛しているのだけど、「このコロナ禍においてポップミュージックを鳴らす意義は社会へのコミットがうんたらかんたら〜(適当)」というような呟きや記事に心底疲れてしまった。疲れてしまう理由は上手く説明できないのだけど。私はただ、好きなバンドが楽しそうにライブをする姿を見て、好きな音楽を聴いて、楽しみたい、ワクワクしたいだけなんだよ。

とりあえず、今は好きなバンドの公式やメンバーがネット上で発信してくれることや、これまでに発表された音源や映像を小分けにして少しずつ楽しんでいる。今思うのは、アーティストが様々な方法でリスナー側に何かしらを届けられる、SNSの発達した時代でほんとうによかったなあということ。これがファンクラブの紙媒体の会報や公式サイトの日記くらいしかない時代だったら耐えられなかったよ。
大変なときに少しでもファンを楽しませようと苦心してくれるアーティストの皆さん、ありがとうございます。いつかまた密な空間で、肌、五感、全身に音楽を感じられる日が来ることを信じて。